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S.A.E 作品紹介
ワンダーフェスティバル2015 夏
2015/07/24
更新 2015/07/28

ワンダーフェスティバル2015夏 当日のS.A.E ブースの様子です。

BONE TO DRIVE
西角 新也
「Bone to drive」

Concept:
「Bone:骨」の持つ漂白された”死”を感じさせる造形美と、
「Drive:駆動」する機械の持つエモーショナル且つ冷淡な造形美の融合です。

今回の展示がシリーズ第1弾となる「CAR 01」となりますが、
今後はデジタル造形にて3D化の後、シリーズの拡充をして行きたいと考えています。

ワンダーフェスティバル2015夏 会場で展示したパネル等の画像です。
西角新也氏の作品シリーズ「Bone to drive」の、第一弾「CAR 01」は、
今回の展示を持って作品完成となります。
西角氏の次回作にご期待ください。


BUSUJIMA REALIZE
毒島 孝牧
BUSUJIMA REALIZE

S.A.Eのオリジナルコンテンツ「じゃぼうにあ 邪宝国創事紀」。

安易に二次創作に走るのではなく、むしろ自らが版元になってやろう、という意思と気概を持って紡いできた我々の創作物である。

20世紀末から超長期的視点でこのコンテンツの広がりを念頭に活動・模索をしてきた。

今後、更に物語やキャラクター作りの裾野を広げていくことは大事なことであり、より充実した内容にしていきたいと考えているところである。

ただ、それは今までの活動の延長線上にあり、本質的には今までの活動と殆ど変わらない。

もっと面白いことはできるはずだ。十数年練ってきた「じゃぼうには」は、何か別の表現方法や主観的視点の変化を許容する懐の深さはあるはずだ。

個人的にここ数年、このようにずっと考えてきた。

そこで、である。もしもこの作品が昭和の特撮番組だったのなら。

もしも「じゃぼうにあ」が土曜日午後7時から放映されていた民放のTV番組だったのなら。

もしも「冥王ハリ・ハラ」がラスボスになっているヒーロー番組だったのなら…。

そしてもしも「ハリ・ハラ」がラテックス製のぬいぐるみだったのなら…!

そしてそして、もしも番組途中に「じゃぼうにあ」のおもちゃのコマーシャルがあったのなら…!!

…と、どんどん脳内に別の世界が広がっていったのである。

これは何でも有りだ。何でもできそうだ。一つの世界観をあらゆる視点でシミュレートするわくわく感に奮えるのである。

そしてまた、この昭和の番組を仮に原点として考え、WFにおける「じゃぼうにあ」は実は過去のコンテンツを元にしたリメイク作品だったのだ!、と捉えても面白い。

今後「じゃぼうにあ」とは別に、このような考え方を用いた全く別の作品(世界観)を創造することも可能になる。

過去と現在(未来)の2つの様式を同時に俯瞰しながら創るということ。

まずは実験的に、この「ハリ・ハラ」からその方法論の模索をはじめることにする。

(編者注:この文章は2014年夏のワンフェス出展時のものを再利用しています。今回の展示と一部合わない記載がありますが、ご了承をお願いします)
ワンダーフェスティバル2015夏 会場で展示したパネル等の画像です。


TADANO TECH
只野☆慶
tadano tech

産業革命以来、人類の暮らしを大きく変えてきた科学技術。

我々人類はその恩恵に与るが、代償として時にその公害被害を受け、時にその医療技術で不必要な延命をされ、時にその兵器で命を落とす。

豊かになっても常に何らかの危機に苛まれ続けるのだが、それでも豊かで明るい未来への夢を見ることで発見や発明を積み重ね、連綿と続く明日へと希望と絶望の繰り返しを営むのだ。

tadano techはそんな明日の景色を想像し、将来の日常を描きたいと願う。

天真爛漫であろうと努力する。たとえ目の前に絶望が広がろうとも明るい未来を夢想し続ける。


星宮重工
特殊作業車両TX050

不整地、勾配地における作業を目的に開発。主用途は林業での伐採作業。

二酸化バナジウムを応用した人工筋肉が実用化されて以降、産業界でも活用が進み、それまで水圧、油圧で制御されてきた重機もロボット工学で発展した制御系を応用して、より人間の動きに近いモノが生み出されるようになった。

2050年代には水素エンジンも実用的な安定供給がされ、小型、高剛性、マスタースレイブによるダイレクトな操作性を兼ね備えた特殊作業車両も一般化しつつあった。

さて、今日もひと働きしていい汗をかこう。
ワンダーフェスティバル2015夏 会場で展示したパネル等の画像です。
コミック作、画 高木信之


「イイノカ」
松村 克也



「イイノカ」コンセプト

「イイノカ」は、造形作品ではなく、映像的な作品です。

完成形としては、およそ15分くらいの動画ファイルとなる予定です。

動画といっても、アニメーションをさせることはないので、静止画を組み合わせて物語を進める形式となります。

このように、今まで私が制作したことのないタイプの作品となる予定の「イイノカ」ですが、どうしてこのような作品を作ろうと考えてしまったのかを、少しだけお話させてください。

2009年あたりから、私の仕事(造形)も、急激にデジタル化が進行し始めました。

必要に迫られて造形用ソフトウェアを覚えなければならなくなり、「ZBrush」というソフトウェアの勉強を始めました。

それから約5年が経過し、ZBrushの使い方もだいたい習得して、なんとか仕事もデジタルへの切り替わりができました。

ZBrushのおおよその機能を把握して感じたことは、既存の粘土ではできなかった表現ができるかもしれない、ということでした(粘土とは違う「素材」なので、当たり前といえば当たり前なのですが)。


粘土で造形をしていた頃、フィギュアを使った映像表現ができないかと考えていました。

フィギュアの最大の弱点とは、時間の一点のみしか表現できないこと、だと思っています。

フィギュアでは、時間経過と共に進行するストーリーとドラマが表現できないのです。

それが、世の中のほぼすべてのフィギュアが、既存の原作を元とした版権物である理由だと考えています。

もちろん、ガレージキットとして始まったフィギュアが、市場にはない自分の好きなものを造る、という生い立ちを持っていることは知っていますが、すでに数十年の歴史を持つフィギュアという表現方法の中で、オリジナルと呼ばれる作品が極端に少ないことの説明にはなると思います。

ある一定数以上の作者がいる世界なら、必ずそこからオリジナルは生み出されてくるはずだからです。

フィギュアの世界でオリジナルが極端に少ない理由は、フィギュアではストーリーやドラマが表現しにくい、ということに尽きると考えています。

ストーリー、ドラマを単体で表現することが難しいフィギュアは、すでに周知されている既存のストーリー、ドラマを借りる方法でしかそれらを伝えることができないし、またそれが最も効率の良い方法でもあるのです。

すでに作られ、周知されたドラマを、時間の一点のみの表現(フィギュア)で思い起こさせる、という手法が、現在のフィギュアなのです。

私は個人的に、この部分に造形物、フィギュアの限界を感じていました。

なんとかして、フィギュアでストーリーとドラマ表現ができないか?

15年ほど前に、S.A.Eを立ち上げた時から考え続けていたことでした。

それが、ZBrushというソフトウェアを使えばできるかもしれない、と気がついたのです。

粘土で造形するフィギュアは、制作に多くの時間を必要とします。

数週間からひと月、場合によってはもっと多くの時間を使い出来上がるフィギュアは、時間の一点のみ。

しかし、数多くのフィギュアを短時間で造形できるのなら時間の中の点を増やすことができ、時間経過と共に進行するストーリーやドラマを形作ることも可能となります。

多数を短時間で造形する。

これが、ZBrushという造形ソフトウェアを使用すれば、個人でも可能になるとわかったのです。

それを実現しているのが、3DCGアニメなのでは? と言われるかもしれません。

その通りかもしれません。

しかし、私が作りたいのは、あくまでも実際のカタチがある造形物であり、フィギュアなのです。

3DCGアニメは、2次元のアニメーションから発展しており、実際にカタチのある造形物をベースには置いていません。

仮に、この「イイノカ」という作品が完成したとしても、見た目はCG紙芝居のように見えるでしょう。

それでも、画面に登場するキャラクターは全てフィギュアとして造形するものです。

このコンセプトからすれば、造形したキャラクター全てを出力し、それらを撮影することで画面を作る、ということが正解なのかもしれません。

個人的にはそうしたいところです。

しかしさすがにそれは物理的にかなり難しい作業となります。

造形したキャラクターたちはいつでも出力して立体化することができる、ということを拠り所として、画面はデータのレンダリングで作ることにしました。

このせいで、ますます3DCGアニメと区別がつきにくくなってしまいますが、それでも、私的には、あくまでもフィギュアを使ってドラマを表現する、というコンセプト上にある作品だと考えています。

全ての場面の立体化は、やがて時間が解決してくれるでしょう。

3D出力が現在よりもさらに低コスト、短時間、高精度で実現されるだろうからです。

それまでは、3DCGとの区別がつきにくいと思われてもかまわないので、フィギュアをベースとした映像作品試作を続けてみたいと考えています。
ワンダーフェスティバル2015夏 会場で展示したパネル等の画像です。


編集責任
S.A.E代表 松村克也
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