concept meeting  

松村 「では、会議を始めます。今日の議題は、S.A.Eとはいかなる集団であるかをはっきりとさせることです。忌憚のないご意見をお聞かせください」

毒島 「はい、議長」
松村 「どうぞ、毒島さん」

毒島 「その前にそもそもS.A.Eって、何? 何かの略称っすか?」

高木 「さすが毒島君。そんなことも知らずに今までやってたとは。S.A.Eとは、スペシャルアーキテクチャ、ええとなんだっけ?」

松村 「違います」
西角 「はい。はいはい! 議長」

松村 「はい、は1回で結構です。どうぞ、西角さん」
西角 「スカルピー、愛してる、いい気持ち!」

松村 「何ですか、それは」
西角 「いや、S.A.E」

安藤 「僕は、ステイメン、アナハイムエレクトロニクス、エギーユ・デラーズだと思うけど」
毒島 「ガンダムできましたか。じゃあ私はストロンガー、アマゾン、えーと、E、E」

篠原 「ちょっと待ってください。セレナ、アコード、エコノというのは」
西角 「篠原さん、メーカーがばらばらですよ」
只野 「おかしいな。スコープドッグ、アーマーマグナム、エクルビスだとばっかり」

松村 「えー、収拾がつかなくなりそうなので取りあえず正解を言いますと、show-A entertainment、ショウエイ-エンターテイメントの略です」

毒島 「なんすか? それ。リーダー、もっとかっこいいやつにしましょうよ」
松村 「いや、今日は名称を考える会議ではないので、その点についてはまたいずれということで」
西角 「そうですよ。もっとまじめにやりましょう」

高木 「スカルピー、愛してる、いい気持ち、がまじめかい?」
西角 「だって、スカルピーはいいですよ。僕はスカルピーなしでは生きていけませんから。食べましたよ、この間」

松村 「ええと、そんなことはどうでもいいのです。いや、スカルピーの味がどうでもいいと言ってるわけではなくて、私たちはどういった集団かという」

毒島 「そんなことわかってるじゃないすか。造形っすよ。造形集団っすよ。私にはもうそれしかないっすから」
高木 「でも、造形だけじゃないだろう。ストーリーから作るしデザインもゼロから起こすし」

西角 「そうですよ。造形はスカルピーの利用方法であって、一番大切なものはスカルピーそのものですよ」
安藤 「一番大切なもの、と言われると僕が3つづつ買い続けているMGやPGはどうなるの? 大変なんですよ、3つ予約するのは」

松村 「えー、ちょっとまとめます。今のところS.A.Eが発表する作品は主に造形作品だけど、造形専門集団ではない、ということですね。つまり物語、デザインを含めて全てを創作していこうと」

高木 「そういう感じかな。一応ゼロから世界をつくる創作集団ってことでいいんじゃないの」
毒島 「でも造形がメインなんすよね? 私にはそれしかないんすよ。他には何も」

松村 「今のところは、という条件付きで造形がメイン、と言ってもいいでしょう」
西角 「じゃあ、将来的にはどうなんですか? 造形以外の作品も発表するってことですか。それはスカルピーを食べるなということですか」

松村 「身体のことを考えると食べない方がいいでしょう。ただ私たちの基本路線として、私たちだけの世界をつくろうということです。その世界の表現方法として、まずは造形ということです。したがって造形至上主義ではなく、あくまで表現方法のひとつの手段として造形をとらえます。まんが、小説、イラスト、映像、その他使えるものはなんでも使います」

毒島 「造形がひとつの手段だって! なんてことだ。私にはそれしかないのに。リーダー、あんたはひどい人だ!」
篠原 「でも毒島さん、もしS.A.Eが造形至上主義の造形集団なら、私の立場がないですよ。私は映像担当ですから」

西角 「え、でも篠原さん、この間スカルピーでリーダーの顔を作ってたじゃないですか。リーダーはあれを気に行ってオーブンで焼いてましたよ」

篠原 「西角さんに影響されたんですよ。西角さん、スカルピー触ってるときよだれを垂らしてますから。どれだけいいものだろう、と思って」

只野 「ええと、つまりS.A.Eが一番やりたいことは独自の世界観の構築であって、造形物はそのメディアのひとつにすぎない、ということですよね」
松村 「その通りです」

只野 「でも、今のところ第三者的に見れば、ただのガレキディーラーにしか見えないですよ。リーダーは何か差別化のお考えでも?」

松村 「いや、表面的にはガレキディーラーでいいんじゃないかと。ただし、S.A.E内部で基本概念を統一しておくことは大切です。つまり、マジンガーZとガンダムは表面的には似たような巨大ロボだけど、そこには基本概念という大きな違いがあるわけです。SF的な考え方、と言ってもいいかもしれません」

安藤 「松村さん、じゃあS.A.Eはオリジナル物しかやらない、ということですか。僕はガンダムも作りたいんですけど」

毒島 「安藤さんはまず、廊下にまではみ出た数百個のプラキットを何とかするのが先ですね」
高木 「でもそれ、大事な問題だよ。オリジナルだけか、そうじゃないのかってのは。俺はオリジナルしかできないもん。自分の世界に浸っていたいんだよ、俺は」

西角 「何言ってんですか、高木さん。あなたライダーとかハカイダーとか、いっぱい買ってるじゃないですか。美少女フィギュアが実は好きってことも僕は知ってますよ」
高木 「む。ああそうさ! 俺は美少女フィギュアが好きだよ。出来れば作りたいって思ってるよ。ほっといてくれよ」

毒島 「で、リーダー、どうなんすか。そこのところ。S.A.Eは版権物もやるんすか」
松村 「うーん。趣味だけでやるのなら版権物は必要ないでしょう。しかし営業的に考えれば、いずれは必要になるでしょうね」

毒島 「版権物かあ。うーん。たとえばさあ、西角、君なら何を作りたい? 版権物」
西角 「・・・じゃぼうにあ」

高木 「ぐ。こいつ、なんて優等生的な答えを」
西角 「仕方ないじゃないですか。僕はじゃぼうにあを作りたいんですよ!」
松村 「感動的な答えではありますが、論点がまるっきりズレてますね」

高木 「今までの話で、S.A.Eがオリジナルを中心とした創作集団ということはわかったけど、具体的に何をやっていくわけ?」

毒島 「ちょっとちょっと、高木さん、今の言葉どこにも造形って言葉が入ってませんでしたよ。私には造形しかないのに。他には何も」

西角 「スカルピーって言葉もありませんでしたよ。スカルピーなしでは生きていけないのに。本当に」
安藤 「ガンダムって言葉もなかったですよね」
只野 「ガチャポンはどうですか。ガチャポンは」
篠原 「それよりまたカラオケに行きましょうよ。新しいレパートリーお見せしますよ」

松村 「具体的にどういう活動をするか、ということですね。今のところ私が考えているのは、オリジナルシリーズ3本立てぐらいでどうか、という程度です」

毒島 「誰が作るんすか。そんなにたくさん。私はトゲトゲしか出来ませんよ。もう全身トゲだらけですから」
西角 「僕はスジだらけですね。全身スカルピーでスジだらけにしますから。見ててください」

松村 「トゲでもスジでもかまいません。ただ皆さんに理解してもらいたいことは、S.A.Eの活動には壮大な夢があるということです。それを忘れてトゲとスジだけに集中してもらっては困るのです」
毒島 「なんすか? それ」

西角 「あ、わかりました。リーダー、わかりました。世界制服ですね!」
松村 「制服ではありません。征服です。私たちはやがて来る人類滅亡の日のために、今から技術を磨いておかなければいけないのです」

安藤 「つまりそれはニュータイプの時代ということですか。ようやく話題が宇宙世紀に入ってきましたね」

松村 「来るべき未来にはガレキやイベントも滅びてしまうのです。その中でいかにしてS.A.Eは生き残るのか。私はこの2日間考えました。答えはただ一つ、造形も含めたS.A.Eの活動を宗教化する以外にないのです」
毒島 「今度は造形という言葉が入ってる。リーダー、あんたはいい人だ!」

西角 「見損ないましたよ、リーダー。スカルピーはどうなってるんですか」

松村 「昨日の夜、私のところにやってきた宇宙人が囁きました。あなたは教祖様になりなさい、と。S.A.Eという枠組みを個人的に利用して新興宗教を興すべきです、と」

安藤 「それはティターンズみたいなものですか」
西角 「いや、スカルピーを御神体として仰ぐスカルピー教だ。そうですよね、リーダー」
毒島 「三種の神器はスパチュラと真鍮線とデザインナイフだ!」

松村 「今ここに、私は新宗教S.A.Eを興すことを宣言する! 立てよ、メンバーよ! 今こそ心を一つにして世界制服を目指すのだ!」

西角 「リーダー、制服じゃなくて征服ですよ。好きだなあ、もう」